子どもが小学校に入って困らないように、幼児向けの算数ドリルでも始めようかしら?とお考えの親御さん。
ちょっと待って下さい!!
反復練習で、身に付くドリルは素晴らしい教材です。
だけど!!その前に「かずってなあに?」「足し算って何でやらなきゃいけないの?」
私をはじめ、多くの子どもは、算数を学ぶべき理由を知らされないまま、算数の勉強に入っていく、これが問題なのです。
目次【本記事の内容】
算数を学ぶ動機づけ・モチベーション
理由なんて二の次だから、とにかく勉強を始めろって?
最初はいいですよ、1+2=とか、九九の暗記くらいまでなら、それでも頑張れます。
でも分数が出てきたり、文章問題が複雑になってきたり、割合!なんて言葉が出てきた日には、もうお手上げです!!
つまづいたとき、算数を勉強する意義、楽しさを少しでも知っていれば、それが心の支えになるかもしれません。
ですが、それを知らなかった私にとって、算数の教科書なんて、暗号が並んでいる超絶つまらない本以外の何物でもありませんでした。
本当は算数って楽しいものなのに・・・。
私のような算数嫌いの子どもをこれ以上増やさないために。
また、算数嫌いなお子さんに悩んでいる親御さんのために、ご紹介したい絵本があります。
さんすうだいすき
こちらが、その絵本。
大人になった私に、算数の楽しさをちょっぴり教えてくれた、遠山啓(ひらく)さんの「さんすうだいすき」です。(全10巻)
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題名通り、そもそも「かずってなんだ?」という疑問から、やさしく解説してくれます。
なんなら1巻と2巻には数字すら出てきません。
1巻では、いくつかあるものの中でどちらが大きい?どれが一番長い?という比較から始まります。
2巻には、なかまはずれを探せという課題が出てきます。
ここで大切なことは、「必ずしも一直線で正解にたどり着く必要はない」ということです。
なかにはむずかしいものや、見方によっては2つの解が出てくるばあいもあるでしょうが、子どもがわからないときはいっしょに困ってやってください。たくさんのヒントを与えて解答に導いたときは、1つの知識を与えたにすぎませんが、子ども同士の討論のなかから自力で解を得たときは、たとえそれがまちがっていたとしても、考え方の手順や発見の喜びを教えたことになるのです。
はじめてであう数学の絵本 遠山啓 より引用
間違えてもいい、と言われると安心できるのは私だけでしょうか。
もちろん学校のテストで点をとるためには、正答を導く必要があります。
だけど、その前に考えることの楽しさをもっと教えてもらっていたら、間違えに対して周囲がもっと寛容だったら、もう少し算数が好きになれたんじゃないかと思うのです。
本当の数学は、発見の喜びをいたるところにちりばめながら、歴史はじまって以来、いまも創りつづけられつつある思考の大建築です。ある部分は大改造を行い、あるところはいきづまり、あるところは目下建築中といったぐあいです。その建造物のレンガを1つだけのせるために、一生を賭ける数学者もいます。もしそうだとしたら、この建造物が美しくなかろうはずはありません。何とかして子どもたちにその建築物をみる力をもたせてやりたい、と思うのです。
はじめてであう数学の絵本 遠山啓 より引用
3巻で、ようやく足し算と引き算が登場します。
+や-の記号も、絵とお話をからめて覚えることで、すんなりと頭に入ってくるように工夫されています。
親御さんにとって、この絵本を使う最大のメリットは教え方に悩む苦労から解放されることです。
足し算引き算とは何か、どうしてこの記号や式ができたのかという、一見簡単なようで、とても説明が難しい子どもの疑問。
この絵本は、そんな子どもの疑問をやさしくなぞった、算数の絵本です。
私と同じように算数が苦手だった親御さんなら、「へぇ、そうだったんだ。」と思わず納得してしまう場面がたくさんあると思います。
4巻、5巻では表(ひょう)に親しみます。
横の列、縦の列・・これがひいてはx軸、y軸という考え方につながるのでしょう。
最初は子どもたちに抵抗をかけにくい絵柄の表からはじまり、5巻が終わるころには数字のヒントを使った少々面倒な暗号が解けるようになります。
さんすうだいすきの絵本シリーズは、大人の目から見ると、進みがゆっくりで、じれったい!と感じることもあるかもしれません。
ですが1つ1つのステップを着実に踏むことで、後々の引っ掛かりをなくすことができます。
簡単そうに見える問題こそ時間をかけて、基礎固めに取り組みましょう。
子どもの成長上、我が家にはまだ5巻までしかありませんが、続刊も購入予定です。
定価¥2,400+税と値は張りますが、それだけの価値はあると思います。
購入の際、セット売りを勧める通販が多いですが、個人的には1冊ずつ順に買っていくことをオススメします。
親がよかれと思っても、子どもが気に入らないというのはよくあることです。
その場合、この絵本は大きすぎ、重すぎ、高すぎです(笑)
急いで読み進めればよい、というものでもありませんので、お子様の成長に合わせて1冊ずつ買い進める方がよいかと思います。
続刊も購入後、記事を書く予定です、その際はまたお付き合いください。